透析患者の人権を真剣に考えるブログ

透析の実態を患者目線で明らかにします。しっかり理解してくださいね。

透析をする上でのメリットとデメリットとは?

今回は、透析をする上でのメリットとデメリットについてを患者視点から綴ってゆきますね。

透析をすることのメリットはただ一つー「腎不全死」にならない」の一点だけ。


若い人で言えば、まだ透析を初めて5〜10年くらいであれば仕事の両立が可能です。
しかし、慢性的な貧血な上、年々、体力も消耗し、多くの人は9時〜17時でフルタイムで働くのは非常に難しい状態になります。

 

反対にデメリットを上げれば、きりがありません。

では、患者視点から、ごく簡単にデメリットを列挙します。


(1)健常者と比較し、常に慢性貧血状態なので階段の昇降ですらしんどい状況=常に体のだるさを感じる。

(2)食事制限カリウムの取りすぎは心不全を起こす可能性が大なので、果物や生野菜摂取、チョコもほぼ禁止。
果物は缶詰か、生野菜は水に浸してカリウムを抜き、茹でたり炒めたりして可能な限りカリウムを減らして調理。
カリウムの摂取が一番、透析患者さんには注意されるところ。
バナナやイチゴやトマトなどパクパク食べると、急性心不全に陥り、心臓が止まりますよ。ホントの話!

過度なタンパク制限ー肉や魚類、ジャガイモ、サツマイモなど根菜類などの食材はタンパクを多く含み、同時にリンを多く含むため、かなり制限がかかります。

概ね、透析患者の1日のタンパク質摂取量は60グラム。

肉をしっかり食べられない=血や肉、骨にならないので、日増しに痩せていきます。
お刺身はリンを多く含むので、数切れ程度で我慢してね。

じゃあ、何を食べればいいの?って話になりますよね。
まあ、管理栄養士から徹底的に栄養指導されますので、守るも守らないも本人次第でどうぞ。

ちなみにアメリカでは透析患者の食事制限の必要性に懐疑的な医者もいるとか。

確かにそう思います。過度の食事制限がより体を弱らせることになるからね。

月に1回くらいは羽目を外してもいいけど、くれぐれも暴飲暴食禁止で自己管理。

(3)水分制限。透析を開始すると1〜3年を過ぎるとほぼ尿が出なくなるので、当然、水分摂取の上限があります。
透析患者の概ね1日の水分摂取制限量は200〜300cc、多くても500cc程度が限度です。

〜あなたは、ペットボトル1本分(500ML)で1日を過ごせますか?

お酒が好きな人などは1日、50ccくらいで我慢ですね。多くて100cc。
ラーメンなどの麺類、味噌汁、スープなど汁物も数口を口に注ぐ程度。全部飲むと1日分の水分制限料を簡単に越えてしまうよ。

この”水分コントロールが実に厄介”で、水分が取れないと喉が渇くので、必然的に透析患者さんは、「氷を口に含む」など工夫して、喉の渇きを
潤す習慣を身につけなかればなりません。(夏場は本当に地獄。)

=なぜ、水分制限をしなければいけないのか?=

〜透析患者は尿が出ないため、口からとった水分が排出されないが故に、身体中がむくみ、心臓や肺に水が溜まってしまい、あっという間に肺水腫や心うっ血といった呼吸困難を引き起こしてしまうから…。


呼吸困難症状が出てくると、横になって呼吸することができなくなります。
起坐呼吸と言って、座った状態でしか呼吸ができなくなり、苦しくてどうしようもない状況に陥るのです。そしていずれ死に至ります。

(4)塩分制限ー塩分の取りすぎは高血圧のもと。腎臓は血圧をコントロールする機能もあるので、患者は極力塩分を抑えた食事にしなければなりません。
概ね1日の塩分の摂取量は5グラム程度。因みにカップヌードル等はまる1カップ食べると塩分が10グラム以上含まれているので厳禁!
梅干しも塩の塊と考えなければいけません。

どうしても薄味の食事に慣れるしかないので、我慢できない方は高血圧を併発し、脳梗塞の発症のリスクが高いと言わざるを得ません。

さらに糖尿病人症の場合は足の切断、失明など更なるリスクと闘いながらの人生となります。

(5)決められた服薬の厳守。ー腎機能が落ちると、尿が出ないので、体に排泄物が溜まります。

透析によって濾過をするわけだけど、薬によって排便とともにカリウムやタンパク質、リンなどを排出させるのが一般的な治療になっています。

その他にも甲状腺ホルモンを安定させるお薬や降圧剤が必要なので、毎食の薬を飲むだけでも1日の水分量を使ってしまいます…。

なんとも悩ましい、これが透析患者の生活となります。

〜あなたは、ちゃんとお薬を間違わずに、定時に守って飲めますか?

さらっと簡単に取り上げてもこれだけのリスクが年を重ねるごとに合併症として現れる可能性が高いです。

なお、透析年数が長くなればなるほど、患者さんには様々な合併症が起こりうることを知らない国民が多すぎることもかなり問題なので、次回に続きを書きます。